パイロン・スラロームは乗車姿勢(7つのポイント)ライディングフォーム(アウト、イン、ウィズ)ハンドル、アクセル、ブレーキの使い方、目線、ライン取り、全ての要素が詰まっています。リズミカルにパイロンスラロームが出来るようになれば、バイクを自分の手足のように自由自在に扱えるようになります。僕は皆さんとのレッスン前に今も必ず、0の字、8の字、直線パイロンスラロームをやってます。それくらい大切なバイクの基本なんですよ!さあ皆さん、楽しくパイロンスラロームの練習をしましょう!そのコツを伝授いたします!!👍

ただし、難しく考えることはありません!なぜかって?僕が一番好きな課題走行だからです。どうすれば安全・正確かつ速く走れるか?バイクの楽しさを感じられるのがスラロームです。
正式名称は『連続進路転換』まあ確かに…笑。

※ Youtubeのレッスン動画も見ていただくと参考になると思いますが、検定の走り方とは基本的に同じですが、速さを求めた走り方や、ライン取りなので、あくまで参考程度にご覧いただければと思います。教習車あるいは検定車は前後左右にバンパーが張り出しているので…。

1. スラロームとは

①目的

直線状に置かれたパイロンを、左右に縫うように走行します。目線、バイクのアクセルのオンオフ、ブレーキ、上体の力を抜きリラックスして走るための乗車姿勢、バイクを安定させるために必要なニーグリップ、ライディングフォームの確認、無理無駄のないライン取り、重心移動、適正なバンク角の基本を頭と身体に覚え込ませるためにとても重要な課題、検定項目です。検定で減点されないためには、ある程度の速さが求められる課題です。

②パイロンの間隔・寸法

スラロームのサイズをイラストで確認しよう!

幅2m、長さ27m のコースに、直線状に4.5m間隔で5本の大パイロンを並べたコースです。

パイロンのサイズは、大は高さ70cm、底面は1辺37cm。小は、高さ45cm、底面は1辺27cmです。(教習所によって多少の誤差はあるようです)

コース入口と出口にはパイロンがゲート状に左右2m幅で設置されています。

大きなパイロンの横には左右交互に2本ずつ小さいパイロンが置かれています。これは障害物つまり「小パイロンが置いてある方はコースではないので通ってはいけません」という意味で置かれています。

③通過時間

前車輪の接地面部の一部がコース入口のパイロンにさしかかってから出口のパイロンにさしかかるまでの所要時間の基準タイムが決まっています。

  • 大型自動二輪=7秒
  • 普通自動二輪=8秒
  • 小型自動二輪=課題なし

2. スラロームでタイムが縮まない原因

①目線・視線が近いまたは下を向いている

目線、視線は「先へ」「遠くへ」向ける!パイロン接触の原因はほとんどがこれです。

②通過基準タイムを気にし過ぎて焦って失敗

確実に通過すらことを最優先しましょう。衝突、転倒しなければ減点だけで済みますので。

③上半身に力がガチガチに入ってしまう

力は抜きます。リラックスしましょう!頭の位置が左右にブレないように!

④膝が開いて車体が不安定になってしまう

しっかりニーグリップは常に一緒です。

⑤バンク(傾ける)させることが出来ない

バイクをバンクさせれば小回りが効きます。そのためには膝の動きとステップの踏み替えが大切なのです!

⑥ライン取り(走るコース)が間違っている

正しいライン取りはスタートで決まります。

⑦リヤ・ブレーキが上手く使えていない

スラロームもリヤ・ブレーキが肝なんです!

⑧いざというときの半クラが使えない。

半クラなしでも通過出来ますが、エンストしそうになったり速度が出過ぎたときリヤ・ブレーキと半クラを使えばエンストや暴走せずに減点なしで通過することができます。

3. 初心者向け!スラロームを確実にクリアする10のコツ

①ギアは2速で!

ローでなくセカンド。その方がギクシャクしないからということです。スミマセン白バイ隊員はパイロンスラロームはローで走るのが当たり前になっているのですが、確かに速さを求めなければ2速の方がスムーズなのでしょう。

②スタートから一本目のパイロンまでの目線と体重移動、ライン取りがとても重要です!

いきなり難しそうなことを言ってスミマセン。スタートして一本目のパイロンに直線的に向かって行くと、パイロンに近付きすぎて接触してしまったり、2本目以降のパイロンに近付いてしまい、その結果パイロンを大回りすることになってしまいます。

するとバイクが常に傾いているためアクセルも開けられず、距離も長く走ることになってしまうのです。

スタートしたら一本目のパイロン手前でハンドルを切ってパイロンとの間隔を空けて早めに身体の重心を入れ替えてバイクの向きを変え、目線・顔・胸は次のパイロンへます。そうすれば最後までパイロンに接触することなく、安全に速く走ることが出来ます。

スラロームのライン取りをイラストで解説!

イラストをみて頭でシミュレーションをしてみよう!

③目線・顔・胸は早め早め(先々)に行きたい方向に向ける。

パイロン手前で十分に間隔が空いていれば直近のパイロンを気にしなくても接触しません。

早めに目線だけでなく顔、上体を行きたい方向に向ければバイクは行きたい方向に勝手に走っていってくれます。

下を向いていると先が見えないばかりでなく路面の流れで体感速度が上がってしまって恐怖心が先に立ってしまいます。

④上半身の力は思いっきり抜く

目線・顔・胸を行きたい方向に向けるためには上半身の力を抜いて、リラックスすることが大切です。フニャフニャで良いです!

⑤ ニーグリップ

上半身の力を抜いた分、しっかりニーグリップして車体を安定させましょう。

バイクをもう少しバンク(傾ける)させたいときは外側(パンクさせたい方の逆側)をタンクに押し込むようにしましょう。これは重心移動のひとつでもあります。

⑥重心移動と頭の位置

曲がりたい方向に目線・顔、胸を向けるとともに、外側の膝をタンクに押し込み、内側のステップに荷重(入力)します。と言うと何だが難しそうですが、これは一連の動きですので、やってみると意外と「おっ⁉︎簡単じゃん!」という感じで出来ますから大丈夫です!

ただし頭の位置はいつも一緒、動きません。イメージ的には身体とバイクはパンクしていても、頭の位置は左右にブレず真っ直ぐです。

頭が斜めになるということは左右の目線も斜めになるということで、これでは正しい情報取りが出来ずにパイロンに接触してしまいます。

⑦ライン取り

パイロンに近付き過ぎない。大きく入って小さく抜けるという感じです。そのためにはパイロンの手前、早め早めにバイクの向きを行きたい方向に向けることです。

だからスタートから一本目のパイロンの目線・顔、胸の向き、ライン取りが重要なのです。最初に楽をすると後で報いが来てしまうのは人生と同じなのです!(マジで!笑)

⑧アクセルとリヤ・ブレーキ

アクセルは全閉にしない。ギクシャク走りと失速してバランスを崩す原因になります。

パイロン手前でリア・ブレーキ。停止するためのブレーキではなく、曲がるきっかけを作るブレーキなので引き摺る程度で大丈夫です。ただし、速度が出過ぎた場合には暴走しないように、しっかり減速すること!

そして重心移動してバイクの向きが変わったらアクセルを徐々に開けて行きます。

よほどスピードが出過ぎた、暴走しそうという以外にフロント・ブレーキは使いません。

⑨半クラッチ

半クラはスラローム走行に慣れてくれば必要ありません。ましてギアが2速でしたらなおさらです。

速度が出過ぎてブレーキをかけて減速したときや、逆に失速したときはアクセルを開け気味にして半クラを使うと立て直しが可能です。

⑩セルフステア

セルフステアとはハンドルを自分の意思で切らなくても、車体を傾けた(パンク)ときに自然とハンドルが切れていく動き、現象です。

このセルフステアを利用すると無理なアクセルやブレーキ操作をすることなく安全にバイクの向きを変えることが出来るのです。

バイクの向きが変わったらハンドルを戻してアクセルを開ければ、バイクは起きてアクセルを開けても安全に加速するのです。

大型二輪のスラロームのコツ

大型自動二輪と普通自動二輪の違いについて考えてみれば、走り方の違い・方法が自ずと見えてきます。さあ!何が?どこが?違いますか?

①車重

大型バイクはデカいので、その分重いです。なので「身体先行」といって早めに体重移動してバイクの向きを変える準備をします。

そのためには早め早めの目線、顔、胸を行きたい方向に向ける、バイクを行きたい方向に向ける必要があるのです。

②車体の大きさ・シート高

車重だけでなく大型バイクはタンクもデカいし、シート高も高く、シート幅も広いです。
その大きさに慣れて、しかも走り出してしまえば何ということはないのですが(ありますよね!)
小柄な方や女性は早め、かつ大げさに なくらいに体重移動するとバイクはいうことを聞いてくれます。

これは低速バランス課題や停止する際にもいえることです。特に足付きに不安がある方は早めに体勢を入れ替える、着座位置をずらして足つき性を良くする、リヤ・ブレーキを完全に停止するまで使うなどすればバイクを安定させることが出来るのです。

③パワー(排気量)

パワーがあるということは雑なアクセル操作やクラッチ操作はバイクの動きがギクシャクした走りになってしまいますし、アクセル、ブレーキ操作を間違えると暴走して事故につながってしまいます。

優しく・丁寧、慎重なアクセル・クラッチ・ブレーキ操作を心がけてください。

スラロームの検定中止・減点ポイント

検定中止

  1. パイロンへの強い接触(衝突)検定中止
  2. 転倒は検定中止
  3. 通過不能は検定中止(概ね2m以内でエンスト4回で通過不能を取られ中止になります)

以下の場合も「通過不能」とみなされ検定中止

  • 1回でも足をついた場合
  • エンストした場合

減点ポイント

  • 大型二輪は7秒以内、普通二輪は8秒以内なら減点なしですが、基準タイムを超えると
  • 1秒毎に5点減点。 1秒未満は、繰り上げ。
  • 0.1秒オーバーは5点減点1.1
  • 1.1秒オーバーは10点減点

まとめ

パイロンスラロームは基準タイムはありますが多少遅くても減点で済みます。無理をしてパイロンにぶつけたり走行不能になって検定中止になるより、慎重に5本のパイロンを接触させずに通過することから初めて、徐々に体の動きやバイクを傾けることに慣れて行きましょう。

目線、顔、上体の向き、アクセルやリヤ・ブレーキの使い方も低速で自分でひとつひとつ確認しながら練習すれば、段々と上手くなっている実感が湧いてきます。最初から上手く出来る人なんか誰もいません。僕なんか今も大したことありませんが、最初は酷いもんでしたよ!笑

【白バイ秘話】MOTO COP YUTAの白バイ回顧録

新隊員訓練や「特練」といって白バイ大会の訓練員だった頃、だだっ広い訓練場に延々と並べられた(自分たちで並べるんですが…)パイロンを延々とスラローム走行するのですが、暑くて喉は渇くは疲れるわで、20歳代前半の訓練員達も段々と意識がボーッとしてきます。

確かに体の力を抜くためには、とても良い訓練方法なのですが、そのうち必ずといって良いほど誰かしらが、いきなり突然、なんの前触れもなく転倒します。

少しでも楽をするためなのか、身体を使わずバンクさせようとしてバイクを傾け過るのかはよく分かりませんが『パイロン・ブレーキ』といってパイロンにブレーキ・レバーが強くぶつかって、前輪ブレーキがカツンとかかり一気に転倒してしまうのです。

皆さんも教習中ましてや検定中にパイロン・ブレーキをかけないように、パイロンには近付き過ぎないようにしてくださいね!

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